神経症性のうつ病(気分変調性障害)とは、元々の性格にストレスが乗っかって、「自分はダメな人間だ」と捉えてしまう方、
もしかしたら、それは、「性格」の問題ではなく、『気分変調性障害』かもしれません。
発症して、10年以上放置されるケースが多い病気ですので、自分を「ゴミ」だと感じる前に受診してみてください。
今回の目次
- 気分変調症はうつ病ではない
- 気分変調性障害の傾向
- 気分変調性障害の症状
- うつ病(大うつ病エピソード)との違い
気分変調症はうつ病ではない
うつ病の用語は医学用語なので、難しく思うかもしれませんが、
僕が神経症性のうつ病というのは、病名では「気分変調症」「気分変調性障害」「持続性抑うつ障害」
と呼ばれるものと同じです。
あらかじめ言っておきますが、
「気分変調症」と「うつ病」は違う診断名です。
けれども、うつ病の患者さんのおよそ40%は気分変調症の診断基準を満たしており、
「2重うつ病」とも呼ばれることから、
僕はうつ病の種類として、表現したいと思います。
なにより、とても良く似ています。
気分変調性障害の傾向
「抑うつ気分がほぼ1日中続いて、なおかつ長期間におよぶこと」
が特徴として挙げられます。
DSM-Ⅳ(Ⅴ)では、少なくとも2年以上(小児や青年時は1年以上)にかけて抑うつ気分が持続していることが、診断の基準になります。
一般の5%~6%の人がかかる病気です。20人に1人の割合ですね。
傾向としては
- 発症に男女差がない
- 未婚の若者(21歳まで)に多い
- 低所得者に多い
- 慢性の身体疾患のある人によく見られる
- 高齢者によく見られる
21歳までに発症する人が多いながら、精神科の治療を10年以上受けていないケースがよくあり、
早期発見が難しいと言われます。
気分変調性障害の症状
間違えやすいのは、「性格」です。
「もともと、そういう性格なんじゃないの?」
「甘えだよ」
「超ネガティブな人だよねー」
と、他人に言われる患者さんもいるかもしれません。
これらは「間違った認識」です。
精神症状
- 不安感
- 強迫観念
- 抑うつ(落ち込み)
身体症状
- 不眠
- 身体の痛み
うつ病(大うつ病エピソード)との違い
うつ病にあって、気分変調性障害にないもの
- 食欲の減退
- 性欲の減退
- 焦燥感(何かに駆り立てられるような感覚)
- 精神運動の制止(何も考えられなくなる状態)
などです。
非常にややこしいので、
「自分はややこしい性格で、みんなに迷惑をかけてしまう」
と思うような、「ニート」「ひきこもり」の方、すぐ受診してみてください。
(参考)
https://e-heartclinic.com/sp/kokoro/yamai_ippan/ippan_kibun2.html
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