ストレスは精神的なものだけではありません。「暑い」「うるさい」などもストレスになります。
どんどん慢性的にストレスを溜めてしまうと、うつ病の原因になります。
今回の目次
- ストレスって何だろう?
- ストレッサーの分類
- ストレッサ―が身体に与える影響
- ストレスのコップ
ストレスって何だろう?
ストレスの定義としては
岩波書店 広辞苑 第五版からの引用
『医学用語として,「種々の外部刺激が負担として働くとき,心身に生ずる機能変化.ストレスの原因となる要素(ストレッサー)は寒暑・騒音・化学物質など物理化学的なもの,飢餓・感染・過労・睡眠不足など生物学的なもの,精神緊張・不安・恐怖・興奮など社会的なものなど多様である.」と説明されている。さらに「俗に,精神的緊張をいう.ストレスがたまる」という説明もあります。』
つまり、もともと医学用語なんですね。
それと、ストレスは「精神的なもの」と捉えられがちですが、
実はそうではないということが分かります。
誰もが、空気を吸うように、ストレスを感じています。良いストレスもあれば、悪いストレスもあります。
政府の調査によると、国民の半分が精神的疲労や(悪い)ストレスを感じているという結果もあります。
つまり、日本人の2人に1人がうつ病の予備軍といってもいいでしょう。
あなたの隣にいる人は、うつ病予備軍です。
ストレッサーの分類
ストレッサーというのは「ストレスの元」のことです。
これを分類することで、日常に当たり前にストレスを空気のように吸っていることが明らかになります。
物理的ストレッサー
温度・湿度による刺激、騒音による刺激など
例)
「暑いー」
「寒いー」
「うるさいー」
「狭いー」
「痛いー」
夏に、外に出ると、暑いと感じます。ずっと、その状態で長時間居続けたらどうでしょう?
やはり、しんどいですよね。
科学的ストレッサー
酸素の不足や過剰、薬害、栄養不足など
例)
公害物質
薬物(化学調味料なども含む)
酸素欠乏・過剰
一酸化炭素
口から取り入れるもの、肌に当たる空気などにも、ストレスは潜んでいます。
アレルギー体質であれば、ネコの毛だって薬物のような化学変化し、炎症を引き起こします。
生物的ストレッサー
病原菌の侵入など
例)
疲労
ウィルス
病原菌
内科的な病気
病原菌が侵入すると、身体はそれを取り除こうとして、身体を活発に動かします。
そのときにはやはり、負荷(ストレス)がかかってしまいます。
疲労などで、身体が弱っている方などは、うつ病以外の他の病気にもかかりやすい状態をつくります。
社会的ストレッサー
社会的な役割や人間関係など
例)
「男なんだから稼ぎなさい!」
「女なんだから美しくありなさい!」
「上司なんだからしっかりしなさい!」
「親なんだからちゃんとしなさい!」
「あの人ひどくなーい?」
「あの人といると、なんか疲れる」
「合わない」
などなどなど、
社会的なストレッサーは「人間が人間らしく」生きるために必要なものでありながら、
どうしても、過剰にストレスを受けやすくなります。
一見、良いことのように見える「結婚」でも、結婚したと同時に「妻(夫)」という社会的役割を新たにもち、それがストレッサーとして働きます。
心理的ストレッサー
不安・恐れ・怒り・焦り・憎しみ・劣等感などのネガティブな感情
例)
「犬が飛びかかってきたらどうしよう?」
「私、嫌われてたらどうしよう?」
「あの人、私の順番抜かした!」
「時間通りに到着できないかも!?」
「僕のプリン食べたやつがおる!」
「私、バカだから」
などなどなど
人間、どうしても抑えられない「感情」というものがあります。
「腹を立てない」なんて、できません。怒りが湧いてくるのはものすごく自然なことです。
ストレッサ―が身体に与える影響
ストレスの流れを図のように書いてみると
外部からのストレス
↓
脳の大脳皮質がキャッチ
↓
大脳辺縁系が「不安」「悲哀」に変換
↓
自律神経系もしくは内分泌系を通過
↓
自律神経やホルモンの分泌状況に影響
↓
臓器・身体の組織にストレス反応が出る
↓【慢性化】
肩こり・頭が重い
↓【慢性化】
イライラ・やる気が起きない
↓【慢性化】
うつ症状
↓
うつ病
と、変化していきます。
慢性的にストレスが続くと、人間の抵抗力は限界に達します。
ストレスによる心拍数の増加・血圧の上昇・筋肉の緊張
そして、疲労や、ストレスの初期症状の「肩こり・頭痛」につながります。
それが、うつ病の原因を作っています。
ストレスのコップ
僕は「ストレスのコップ」という言い方をよくします。
ストレスを受け入れる限界がコップの水の入る限界です。
「暑いのが苦ではない」という人は
「暑さ」ではコップに水はたまりません。
「ライブ大好き!」という人はライブに行くと
どんどんストレスの水を発散させ、少なくしていきます。
逆に
「ハウスダストアレルギー」の人は
バスが横を通るたび、水が溜まっていきます
「趣味がない」と楽しみを見つけるのが下手な人は
水を吐き出すことができず、どんどん溜まっていきます。
当然、
水が溜まると決壊します。
その時のタイミングは何か些細なことかもしれませんが、うつ病を発症してしまいます。
ストレスには気を遣いましょう。
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